内田博幸騎手(36歳、大井・荒井隆厩舎)が、年間勝利数で日本記録を超える506勝(地方:445勝、中央:61勝)を達成した。今年に入って2,252戦目での偉業達成だ(地方:1,820戦、中央:432戦)。
なお、従来の年間最多勝日本記録は、川崎所属の佐々木竹見騎手(01年引退、現NAR参与)が66年に達成した505勝(2,384戦)。
内田騎手は、本日18日の浦和競馬第10競走を1番人気のアルバトロス号で勝ち、日本記録タイとなる505勝をマーク。
続く第11競走では、単勝1.3倍の1番人気に推されたトーセンマンボ号で道中3番手から4コーナーでハナに立つと、直線ではさらに他馬を引き離しガッツポーズでゴールイン。またたく間に記録を更新した。
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これぞ、年間最多の日本新記録“506勝”達成の瞬間 |
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こちらはメモリアルウィンの決勝写真 |
佐々木騎手の年間505勝は、当時、中央競馬との交流戦がなかったため、地方競馬の騎乗のみで達成された記録。また、南関東で現在、騎乗制限されている「1日8回以下、連続騎乗6回以下」という縛りもなかった。
これらのことを考えると、主に“平日は南関東、土日は中央”という休みのない騎乗サイクルで、高い勝率を維持し続けた内田騎手の凄さが改めてわかる。
ちなみに、現役時代の佐々木騎手も“引退”の言葉がよぎるほどの大怪我を幾たびも乗り越え、その都度レースに復活。いつしか『鉄人』と呼ばれるようになり、生涯で7,151勝という前人未到の日本記録も築き上げた。
この歴史に名を残すトップジョッキー2人に共通する、超人的な『精神力・肉体力』と『巧みな騎乗』が、今回の40年ぶりの大記録更新につながったのだろう。
以前から「目標は佐々木竹見さんの年間505勝を超えること」と語っていた内田騎手。記録更新後には満面の笑みを浮かべていた。
しかし、その目標達成への道のりは、計り知れないほど厳しく長いものだったはず。
競馬ファン、そして関係者一同、心からの敬意と賛辞を贈りたい。
なお、世界記録では、日本でもお馴染みのケント・デザーモ騎手(アメリカ、現役)が89年に達成した598勝(2,312戦)がある。
【内田博幸騎手コメント】 |
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ホッとしました。
506勝という記録では(佐々木)竹見さんを超えましたが、まだまだその技術には及ばないので、近づけるようにこれからも頑張ります。
今回の記録を意識し始めたのは、残り10勝くらいからでしょうか。506勝するまでで、今年一番記憶に残っているのは、500勝を達成したとき(全日本2歳優駿GI)のフリオーソです。
今年、この記録を達成できなかったら、来年は難しいと思っていたので嬉しいです。
JRA、地方を含めて、数多くの騎乗機会を与えていただいた関係者の皆さんのおかげです
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