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2005/01/12
『NARグランプリ2004』年度代表馬はコスモバルク!

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『NARグランプリ2004』優秀馬選定経過

◆サラブレッド2歳最優秀馬
  シーチャリオット(船橋)

 サラブレッド2歳部門は北海道2歳優駿GIII、兵庫ジュニアグランプリGIII、全日本2歳優駿GIへと連なるダートグレード競走の成績優秀馬の中から選ばれることとなった。
 その中で、北海道2歳優駿を勝ったモエレアドミラルと、全日本2歳優駿で2着に健闘したシーチャリオットの2頭が最終選考に残った。
 2歳戦ではダートグレード競走が3競走しかなく、限られた材料の中で判定せざるをえず、また、この2頭が同じ競走を走っていないことも比較を難しくした。モエレアドミラルは北海道2歳優駿で4馬身差の余裕ある勝ち方をしており、近年の地方所属馬の中では最強であるという評価。もう一方のシーチャリオットは、全日本2歳優駿でGI競走の2着になるというパフォーマンスと好タイム、平和賞の勝ちっぷりが高く評価された。投票の結果、モエレアドミラル〔2票〕:シーチャリオット〔10票〕で、全日本2歳優駿2着のシーチャリオットが、サラブレッド2歳の最優秀馬に選定された。

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◆サラブレッド3歳最優秀馬
  アジュディミツオー(船橋)

 今回、もっとも選定に時間を要したのがこの部門であった。
 今年から“最優秀ターフ馬”部門が新設されたものの、3歳部門ではダートのアジュディミツオーとターフのコスモバルク、しかも走る舞台も地方競馬と中央競馬で異なるという、今までにない条件での一騎打ちとなった。昨年暮れの東京大賞典GIで、3歳馬としては02年のゴールドアリュール以来、2年ぶりに古馬の一線級を一蹴したアジュディミツオーの評価が急上昇したのは当然であろう。だが一方で、一年間を通じ紙面をにぎわせ、ターフの頂点を目指したコスモバルクの評価も甲乙つけがたく、両馬に栄誉を与えることは出来ないかとの意見も出るほど究極の選択を強いられた。走路の違いもあるが、コスモバルクは国際G1で2着、3歳限定G2で2勝。アジュディミツオーは、一年を締めくくるGI優勝、古馬と対戦したダートグレードではGI、GIIでともに2着1回と、両馬とも3歳の最優秀馬に選定されるための戦績は十二分に残している。どちらが選ばれてもまったく異論がないものの、逆に優秀な馬が選定されずに終わってしまうという現実が選定委員の心を揺さぶった。
 長い議論の末、おこなわれた投票は、アジュディミツオー〔7票〕:コスモバルク〔5票〕で、古馬と戦ったGIでの優勝がここでは大きなポイントとなり、アジュディミツオーが04年3歳最優秀馬に選定された。

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◆サラブレッド4歳以上最優秀馬
  ナイキアディライト(船橋)

 4歳以上の部門では、ダートグレード競走優勝馬6頭に、その他地方重賞での活躍馬3頭を加えた計9頭が、候補馬としてノミネートされた。
 その中で1月の川崎記念GIで圧倒的なパフォーマンスを演じたエスプリシーズは、04年最初の地方所属のGI馬であり、この年の地方競馬に希望を持たせるさい先良い結果を残した。当然、その後の活躍を大いに期待されたが、残念ながら故障により年末の報知グランプリまで出走の機会がなく、出走した報知グランプリでは惨敗。GIチャンピオンホースの評価を下げざるをえなかった。
 一方、ナイキアディライトは年間を通してコンスタントにダートグレード競走で活躍をした1頭で、GII競走2勝のほか、帝王賞GIでアドマイヤドンのハナ差2着は高く評価された。
 ミツアキタービンも同様にGII2勝。その中でも遠征した船橋競馬場での優勝は、アウェイでの勝ちということが高く評価され、これら3頭が最終選考に残った。
 投票の結果、エスプリシーズ〔3票〕:ナイキアディライト〔7票〕:ミツアキタービン〔2票〕で、サラ系4歳以上最優秀馬にはナイキアディライトが選ばれた。

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◆アラブ最優秀馬
  スイグン(福山)

 アラブ部門は、2歳、3歳から各2頭、古馬から5頭、合計9頭が候補に挙げられた。
 高知所属馬では初めて候補となったマルチジャガー、地元名古屋でサラブレッドのオープン戦に勝っているキジョージャンボ、全国交流戦で頂点を征しているスイグンの3頭が最終選考に残ったが、全日本タマツバキ記念アラブ大賞典、セイユウ記念アラブグランプリの2大タイトルに加え、西日本アラブ大賞典を勝ち、無敵の強さを誇示したスイグンが、満票でアラブ部門の最優秀馬に選定された。

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◆ばんえい最優秀馬
  スーパーペガサス(ばんえい)

 牝馬5歳ながら記念競走を2勝したアンローズと、歴戦の勇者であり、ばんえい最大の競走であるばんえい記念を制したスーパーペガサスの2頭が最終選考に残った。
 スーパーペガサスは03年のような圧倒的強さを感じさせなかったものの、800キロを超える負担重量戦では確実に上位入賞を果たしており、ばんえい記念でのパフォーマンスはアンローズの成績を凌ぐとの意見が多く、満票で2年連続スーパーペガサスが選ばれた。
 牝馬5歳ながら記念競走を2勝したアンローズと、歴戦の勇者であり、ばんえい最大の競走であるばんえい記念を制したスーパーペガサスの2頭が最終選考に残った。
 スーパーペガサスは03年のような圧倒的強さを感じさせなかったものの、800キロを超える負担重量戦では確実に上位入賞を果たしており、ばんえい記念でのパフォーマンスはアンローズの成績を凌ぐとの意見が多く、満票で2年連続スーパーペガサスが選ばれた。

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◆最優秀牝馬
  ベルモントビーチ(川崎)

 ベルモントビーチは4月にマリーンカップGIIIでダートグレード競走4勝のレマーズガールを制して優勝したが、残念ながらその後出走の機会がないままこの世を去ってしまった。しかし、ダートグレード競走の牝馬限定戦で地方所属馬が勝つことは非常に難しく、この1勝は高く評価された。
 そのほかの馬については、表彰するまでの評価には至らないとの意見が多く、最終的に、ベルモントビーチを選ぶか該当なしとするかの選択となった。
 投票結果は、ベルモントビーチ〔8票〕:該当なし〔4票〕で、ベルモントビーチが最優秀牝馬に選ばれた。
 なお、同馬は11月に休養先で死亡し、その血を受け継ぐ産駒を送り出すことができなかったのは、まことに残念である。

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◆最優秀短距離馬
  該当なし

 この部門には、ダートで活躍した9頭のほか、芝部門からネイティヴハートがノミネートされた。
1400メートルのGIII競走でマルカセンリョウ、ロッキーアピールの2頭が優勝している一方、短距離部門へコンスタントに参戦した馬はタイガーロータリーのみで、全般に低レベルの感は否めない。また、ベストスプリンターとしては東京盃GII、JBCスプリントGI、クラスターカップGIII、北海道スプリントカップGIIIでの好成績が必要との意見もあり、最終投票はタイガーロータリーか該当なしかの選択となった。
 結果は、タイガーロータリー〔0票〕:該当なし〔12票〕で、該当なしとなった。

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◆最優秀ターフ馬
  コスモバルク(北海道)

 今回、新設された表彰部門。
 地方競馬はダート競走が中心であるが、近年JRAのターフ(芝)で活躍する馬が現れてきた。そのため、各年のターフ競走において表彰すべき優秀な成績を残した地方所属馬が出現した場合、該当馬を表彰する部門を作った。
 04年は、JRAの3歳クラシック路線から有馬記念まで、一年間を通して優秀な成績を残したコスモバルクが、満票で選ばれた。

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◆年度代表馬
  コスモバルク(北海道)

 年度代表馬の選考は3歳部門の代表を選定するときと同様に、アジュディミツオーとコスモバルクの2頭が候補に上がった。
 戦績については3歳部門選定時に、すでに議論が尽くされていたが、年度代表馬の選定については戦績のみならず、その他総合的判断が必要との意見も出された。
 投票の結果、コスモバルク〔7票〕:アジュディミツオー〔5票〕となり、一年間を通じファンに夢を送り続け、期待を一身に背負って懸命に走り、コスモバルク現象と呼ばれるまでに地方競馬の社会的知名度を上げた貢献が高く評価された結果となった。

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◆特別賞
  ニホンカイローレル

 同馬は88年に福山競馬場でデビューし、益田競馬の重賞競走「日本海特別」を連覇するなど56戦18勝、重賞6勝の成績で、92年春に繁殖入りした。
 産駒は初年度から、軽種馬の日本最多勝記録を持つニホンカイキャロル(牝、74戦46勝)を送り出し、その後、ニホンカイユーノス(牡、40戦30勝)はNARグランプリ'97アラブ3歳、'98アラブ4歳の最優秀馬に選出された。さらにニホンカイマリノ(牝、165戦31勝)、ニホンカイプリウス(牡、37戦26勝)などの活躍馬を次々と送り出し、全5頭の産駒の勝ち鞍は合計140勝を超える。
 特に、先述の4頭はいずれも、ニホンカイローレル自身が連覇した「日本海特別」でその後優勝しており、血統の素晴らしさを証明した。
 04年11月に、残念ながらこの世を去ったニホンカイローレルの競走成績並びに繁殖成績の栄誉をたたえ、特別表彰を送ることとなった。