◆サラブレッド2歳最優秀馬 モエレソーブラッズ(北海道) |
GIIIタイトルがあるエイティジャガー(北海道2歳優駿)、モエレソーブラッズ(兵庫ジュニアグランプリ)、モエレジーニアス(函館2歳S)、GIの舞台(全日本2歳優駿)で地方馬最先着となる2着に好走したアテストに、南関東地区で優れたパフォーマンスを示した馬たちも加わって、評価が難しかった部門である。中では、モエレソーブラッズが、遠征の不利を克服してのGIII優勝、3着と敗れた全日本2歳優駿(GI)についても、1番人気馬として正攻法で4コーナー先頭と場内をおおいに湧かせた堂々たるレース振りを賞賛する声があがり、結果的には満場一致での選定となった。
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◆サラブレッド3歳最優秀馬 シーチャリオット(船橋) |
2005年一年間を通じて、常に地方競馬の最有力3歳馬と意識されてきたシーチャリオットであるが、ジャパンダートダービー(GI)前に戦線を離脱、11月に復帰後の2戦も本来の力を示せずにおり、結果としては羽田盃、東京ダービーという南関東地区タイトルのみに終わった。しかしながら2005年にグレード競走勝ちがある地方3歳馬は関東オークス(GIII)のテンセイフジ1頭であり、同馬にしても秋の不振もあって最優秀とするには決め手を欠く状況である。他にジャパンダートダービー2着のメイプルエイトや同3着で年間を通じて活躍したボンネビルレコードも候補となるが、そうであれば両馬を羽田盃、東京ダービーで寄せつけなかったシーチャリオットがやはり最優秀馬に相応しいという評価に落ち着くことになり満票での選定となった。故障前にはジャパンダートダービーでのカネヒキリとの頂上決戦が待望された馬であり、4歳時の復活に期待がかかる。
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◆サラブレッド4歳以上最優秀馬 アジュディミツオー(船橋) |
年末の東京大賞典(GI)で、同競走史上初の連覇を遂げたアジュディミツオーが文句なく選定された。12月を迎えた時点で地方馬にGI制覇がなく、それどころか4歳以上の馬のグレード競走勝ちがヨシノイチバンボシのかきつばた記念(GIII)とプルザトリガーのエンプレス杯(GII)の2勝のみ、例年に比べて地方馬不振とされかねないムードを年末に見事に払拭した1勝は、限りなく価値の大きいものだった。
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◆アラブ最優秀馬 スイグン(福山) |
優秀馬の選定そのものよりも、在厩頭数の減少を受けてこの部門の今後についての検討に時間が割かれたが、2005年に最優秀馬に相応しい馬が存在したことに議論の余地はなく、全日本タマツバキ記念アラブ大賞典の覇者スイグンが満場一致で選定された。同馬は2年連続の受賞となる。
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◆ばんえい最優秀馬 スーパーペガサス |
ばんえい競馬では、最高峰であるばんえい記念に帯広記念、岩見沢記念、北見記念、旭王冠賞を加えた5競走を主要なタイトルとすることができる。スーパーペガサスは、このうち最重要視されるばんえい記念を含めた3競走を制覇、岩見沢記念のアンローズ、北見記念のサダエリコを寄せつけず、満票での選定となった。ちなみにばんえい記念(前身の農林水産大臣賞典を含む。)3勝は過去にキンタローなどがいるが、3年連続制覇は同馬が初、2002年以降4年連続の最優秀馬受賞とあわせて、同馬が打ち立てた金字塔とすることができよう。
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◆最優秀牝馬 プルザトリガー(船橋) |
エンプレス杯(GII)のプルザトリガー、関東オークス(GIII)のテンセイフジ、2頭のタイトルホースを出した部門であるが、強く推す声が上がったのがJBCクラシック(GI)で3着、4コーナーでのあわやのシーンで2005年の地方競馬の最も印象的な「瞬間」を演出したレイナワルツである。一方、獲得したタイトルの重みという点では牝馬のダート競走唯一のGIIを制覇したプルザトリガーが当然有力となり、この2頭の甲乙つけ難い評価に悩むこととなった。最終的には票決となり、プルザトリガーが1票差で選定された。
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◆最優秀短距離馬 ヨシノイチバンボシ(愛知) |
かきつばた記念(GIII)1着、サマーチャンピオン(GIII)2着など、1400bを中心に年間を通じて奮闘したヨシノイチバンボシ、GIの舞台での2着(JBCスプリント)が光るハタノアドニスの2頭の候補馬に、両馬とも最優秀とするには不十分という意見を含めての議論となった。最高峰であるGIでの好走は確かに評価すべきであるが、ハタノアドニスは年間を通じて地区限定競走を含めて未勝利であり、タイトルのあるヨシノイチバンボシを推す声が優勢、票決の結果もヨシノイチバンボシ7票、ハタノアドニス2票、該当馬なし3票で、ヨシノイチバンボシが選定された。
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◆最優秀ターフ馬 モエレジーニアス(北海道) |
まず問題となるのがコスモバルクの評価となるが、有馬記念(GI)での4着は同馬の能力を再認識させるに十分な快走であるものの、2005年の好走がこの1戦のみで、年間未勝利であるという現実に変わりはなく、最優秀馬という視点で前年同様には語れないとする意見が大勢であった。一方、函館2歳S(GIII)とラベンダー賞に優勝、札幌2歳S(GIII)で3着というモエレジーニアスの芝での3戦は、総合的に高く評価され、少数の該当馬なしとする意見を封じて選定された。
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◆年度代表馬 アジュディミツオー(船橋) |
サラブレッド4歳以上の最優秀馬に選定されたアジュディミツオーが、ここでも他を圧する評価を集めた。席上、GIII勝ちを含め年間を通じて奮闘したヨシノイチバンボシに対するエールも送られたが、アジュディミツオーの評価についてはほぼ異論のないところ。ちなみに、2005年の同馬の勝ち鞍は東京大賞典(GI)の1勝のみであるが、3月には地方所属馬として初の海外遠征を敢行、ドバイワールドカップ(GI)で6着と健闘しており、2005年の地方競馬を代表するに相応しい足跡を残した1年だったと言える。
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◆特別表彰馬 タイムパラドックス(JRA) |
現在、地方競馬で実施されている3(4)歳以上のGI競走は7競走、このうちJBC(クラシック及びスプリント)は両方への出走が不可能であることから、最大で6回のGI出走が可能ということになる。タイムパラドックスは2005年にこのGI6回を含めて地方競馬で8戦、その全てで好走した。3勝はすべてGI(川崎記念、帝王賞、JBCクラシック)で、他にGIではかしわ記念2着、マイルチャンピオンシップ南部杯、東京大賞典が3着、GIIのダイオライト記念とブリーダーズゴールドカップが2着という成績である。ちなみに、2005年のダートGI競走の複数勝利は、中央競馬で実施される競走を含めても他には3歳のカネヒキリ(3勝)がいるのみ。年間を通じて常に地方競馬の主要レースの有力馬であり続け、2005年の地方競馬をおおいに盛り上げた1頭として、その貢献は計り知れないとの賛辞を集めた。
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