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2008/1/10
『NARグランプリ2007』表彰馬・表彰者決定!

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NARグランプリ優秀馬選定委員会 選定経過

◆サラブレッド2歳最優秀馬
 ディラクエ(北海道)

 例年レベルの高い2歳馬を輩出することで知られるホッカイドウ競馬所属馬。2007年も北海道2歳優駿(JpnIII)のディラクエ、エーデルワイス賞(JpnIII)のマサノミネルバ、函館2歳ステークス(JpnIII)のハートオブクィーンに加え、3戦3勝ながら骨折のため戦線離脱を余儀なくされたエックスダンスの道営勢4頭が候補馬として名を連ねた。  いずれも将来を期待される逸材の中から、全日本2歳優駿(JpnI)でも2着に健闘したディラクエが、満場一致で選定された。

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◆サラブレッド3歳最優秀馬
 フリオーソ(船橋)

 2007年の南関東3歳クラシックはレベルの高い戦いが繰り広げられ、その勝ち馬がこの部門の候補馬として選定の議場に上がることとなった。1頭は東京ダービーのアンパサンド、そして同レースは2着ながら、次走のジャパンダートダービー(JpnI)で中央の強豪を尻目に完璧なレースを演じたフリオーソ。
 この両馬について議論が重ねられた結果、JBCクラシック・東京大賞典(JpnI)の2大レースでも強いレースを見せたフリオーソが満票で選定された。

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◆サラブレッド4歳以上最優秀馬
 フジノウェーブ(大井)

 2007年の地方競馬を振り返るうえで、真っ先に話題となるであろう出来事。それが地方所属馬によるJBC競走初優勝の快挙。これを成し遂げたのが、JBCスプリント(JpnI)を末脚一閃で制したフジノウェーブだった。地区重賞連覇で挑んだ春のダートグレード戦線では苦渋を舐めた同馬だが、季節が変わって迎えた最高の舞台で、最高の演技を披露。
 川崎記念・かしわ記念(JpnI)2着で、レーティングではフジノウェーブを上回る数字を残したアジュディミツオーの名も挙がったが、ハイレベルな2007年のダートスプリント界を鑑みたうえで、フジノウェーブが満票を獲得した。

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◆アラブ最優秀馬
 該当馬なし

 かつて隆盛を極めたアラブの在厩頭数も減少の一途をたどり、全国レベルでの競走実施も困難になりつつあるこの部門は、重賞2勝を挙げたフジノコウザン、2007年のアラブ重賞最高賞金である福山大賞典のバクシンオー、牝馬ながら福山アラブダービーを制したイケノスリリングの3頭がノミネート。
 2007年で最後と言われる伝統的重賞のタマツバキ記念アラブ大賞典(地方全国交流)を制したフジノコウザンに称賛の声があがる一方、最優秀馬として選定するには厳しいとの意見もあり、フジノコウザンまたは該当馬なしの2択で行われた採決の結果、票は分かれたものの、該当馬なしと決定した。

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◆ばんえい最優秀馬
 トモエパワー

 ばんえい競馬の優秀馬を選定するうえで欠かせない競走は、ばんえい重量1トンを曳き最高額の賞金を争う“ばんえい記念”に他ならない。2006年まで4連覇を果たしたスーパーペガサスが去り、2007年の同競走を圧勝したトモエパワーが唯一の候補馬となったのも頷ける結果だろう。
 無論、旧4市記念競走のうち帯広記念・岩見沢記念の2勝も評価され、全く異論の余地のない選定となった。

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◆最優秀牝馬
 トーセンジョウオー(船橋)

 2007年に行われた牝馬限定のダートグレード競走のうち、最高位のJpnIIエンプレス杯およびマリーンカップ(JpnIII)の2勝を誇るトーセンジョウオーが、ただ1頭の候補馬として選定委員会の決定を待つことになった。
 上記2戦では、いずれも強烈な先行力で後続を寄せつけず完封。その強さはダートの牝馬戦線の頂点に相応しく、満場一致での選定となった。

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◆最優秀短距離馬
 フジノウェーブ(大井)

 ダートグレード競走の短距離戦線で唯一のJpnI競走、JBCスプリント(1,200メートル)を優勝したフジノウェーブが抜けた存在であり、同馬がこの部門の候補馬としてエントリー。最優秀馬としての可否が問われたが、異論は一切なく、満票でベストスプリンターの座に選出された。
 これにより、サラブレッド4歳以上最優秀馬と併せ、2部門での受賞となった。

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◆最優秀ターフ馬
 コスモバルク(北海道)

 地方競馬所属馬による、芝での優秀馬を選定するこの部門には、シンガポール航空国際カップ(GI)連覇に挑戦し、2着に健闘したコスモバルクと、函館2歳ステークス(JpnIII)を楽勝したハートオブクィーンの2頭が候補馬にあがった。
 一方は国際競走、他方はJRAと、質の異なるフィールドで活躍した2頭を比較することに議論は終始したが、海外というアウェーの環境で成績を残し、他にも天皇賞(GI)で5着、また地方交流重賞のOROカップを快勝したことなどが評価され、コスモバルクに軍配が上がることとなった。
 なお、同馬はこの部門2年連続(3回目)での最優秀馬選定となる。

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◆年度代表馬
 フリオーソ(船橋)

 サラブレッド3歳の最優秀馬に選定されたフリオーソと、サラブレッド4歳以上最優秀馬(および最優秀短距離馬)に選定されたフジノウェーブの2頭により、2007年の地方競馬を代表する1頭を決することになった。
 いずれもJpnI競走で勝利をおさめている両馬。3歳馬ながら果敢に古馬の最高峰レースに出走し、好成績を残すなど年間を通じて活躍したことも評価されたフリオーソに対し、これまで地方所属馬が辛酸を舐め続けたJBCというビッグタイトルを獲得し、2007年の象徴とも言えるレースの主役となったフジノウェーブ。
 この2頭について、本選定委員会で最も長い時間の議論が交わされ、導かれた結論は、“4票差”でフリオーソを年度代表馬として選定するものとなった。

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◆特別表彰馬
 ヴァーミリアン(JRA)

 2001年にJBCクラシック(JpnI)が創設されたことで体系化された、JBC〜ジャパンカップダート〜東京大賞典へのいわゆる“秋3冠”。これまで、アドマイヤドン、タイムパラドックス、ブルーコンコルドなど、NARグランプリ特別賞の受賞馬でも達成し得なかった完全制覇を、史上初めて成し遂げたのがヴァーミリアンだった。
 1月の川崎記念(JpnI)を含む、国内ダートGI・JpnI4戦4勝はいずれも圧勝劇。唯一の敗戦(4着)も世界最高賞金レースのドバイワールドカップ(GI)と、まさに世界レベルの強さで2007年のダート競馬を盛り上げ、地方競馬の競走の充実に果たした役割は計り知れないとの賛辞を集め、特別表彰馬に選定された。

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 ミルジョージ(種牡馬)

 ロッキータイガー、イナリワン、ロジータ・・・、地方競馬史に残る名馬を輩出した種牡馬ミルジョージが、2007年10月死亡した。もしミルジョージの産駒がいなかったら、1980年〜90年代の地方競馬はとても寂しいものになっていた、そう思えるほど、地方競馬にとって同馬の存在は大きいものであった。重賞勝ち馬は数知れず、例えば東京ダービーの勝ち馬を4頭出し、そのうちの1頭ミルコウジがセントリック(東京ダービー父子制覇)やホワイトシルバーを出し、ロジータが母としてカネツフルーヴを、祖母としてレギュラーメンバーを出すというように、孫の代以降も含めて、地方競馬の競走を彩ってきた存在と言えるだろう。同馬はその種牡馬生活を通じて地方競馬に計り知れない貢献を果たしており、その功績を讃え特別表彰馬に選定された。

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 ワカオライデン(種牡馬)

 ワカオライデンは、いわば地方競馬が育てた名馬である。その第一は、地方競馬での成績によって種牡馬入りを果たしたこと。ワカクモの血をひき馬格もあった同馬はもともと期待が高かったが、7歳で地方競馬に移籍(金沢〜笠松)し重賞5勝をあげたことが、種牡馬への道を拓いたといえる。そして第二は、その種牡馬としての成功に尽力した一人が、今は亡き荒川調教師(笠松)だったことで、師は産駒の多くを入厩させて、ライデンリーダーを始め、シンプウライデン、トミケンライデンらをグレード勝ち馬に育てた。(1997年の全日本サラブレッドカップ(GIII)では、荒川厩舎のワカオライデン産駒による1〜3着独占を果たしている。)こうした期待に応えるかのように地方競馬に優れた産駒を送り続け、その結果、ワカオライデンは1997年と99年の2回にわたって、地方競馬のリーディングサイヤーに輝くこととなった。地方競馬と切り離せない生涯を2007年9月に終えた同馬を悼み、現在の交流時代の黎明期を支えた多くの馬を送り出すなど地方競馬の発展に寄与した功績を讃えて、特別表彰馬に選定された。

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